2024年も年の瀬を迎えまして、なにか時期的にふさわしい記事をと思い、ITパスポート試験の最新データを眺めてみようと思います。なお、ITパスポートに関する統計情報はIPAのサイトからご入手いただけます。
都道府県別合格率
ちょうど1年前の記事でもご紹介しましたが、都道府県別の合格率を、最新のデータに基づいて再度チェックしてみようと思います。2024年11月時点(2024年4~11月の8ヶ月間)の暫定合格率ランキング(トップ10とワースト10)は、以下のようになっています。
※データの出典:「情報技術者試験統計資料 令和6年11月度 ITパスポート試験」(IPA)
◆合格率トップ10/ワースト10(2024年4~11月)
ITの需要が都市部に集中しがちな社会事情の影響もあってか、合格率上位は大都市近郊に偏る傾向にあります。地域別では、南関東、近畿中部、北陸の合格率が高く、北関東、九州が低い傾向にあります。
特に、受験者数が多く、合格率も高い東京都が全国平均を引き上げているため、トップ10の段階で全国平均を割っています。東京都は殿堂入りとして、やはり白眉は滋賀県でしょうか。おとなりの京都府としのぎを削ります。ちなみに京都市と大津市は、日本で3箇所しかない、県庁所在地同士が隣接している自治体です(残りの2箇所は仙台市と山形市、福岡市と佐賀市)。
大都市の通勤圏以外では、石川県と香川県がトップ10入りしています。特に石川県は2021年度以降の順位を見ても「17位→5位→10位→暫定5位」と、安定して上位に顔を出します。石川県以外で、2021年度以降に2回以上トップ10入りしているのは以下の2県のみです。
- 長野県(8位→20位→7位→暫定14位)
- 鳥取県(10位→3位→13位→暫定29位)
長野県は教育県の面目躍如でしょうか。どちらも安定して上位をキープ…と言いたいところでしたが、今年はどうした鳥取県。ここから巻き返しなるか!?(ちなみに、香川県の2021年度以降の順位は「31位→14位→25位→暫定10位」で、年によって上下しています)。
受験率(受験者数÷応募者数)
せっかくデータがあるので、受験率についてもランキングにしてみました。試験に申し込んだあと、実際に試験を受けた人の比率です。こちらは基本的に大きな差はなく、天候や災害の影響も考えられますので、毎年の順位の上下はあまり気にしなくてもよいかと思われます。
ただ、毎年のように上位/下位に顔を出す都道府県もありますので、ある程度は県民性を映し出しているのかもしれません(生真面目さ、大らかさ、など?)。トップの山形県のほか、宮崎県、岩手県、秋田県、それと今年の暫定順位では下位にいますが青森県も上位の常連です。下位では、★印の付いている福岡県、山梨県、鳥取県のほか、静岡県、宮城県もだいたい下位に顔を出します。
◆受験率トップ10/ワースト10(2024年4~11月)
申込者数の人口比率
都道府県の総人口に対して、どれだけの比率で応募者数がいたか、についてもランキングを出してみました。ITパスポート取得に対する意識の高さの度合い、とでも言えましょうか? なお、このランキングのみ、年間受験者数が確定している2023年度のデータに基づきます。
※総務省統計局「第2表 都道府県、男女別人口及び人口性比-総人口、日本人人口(2023年10月1日現在)」の「総人口」を用いて計算
ここでもトップの東京が物量で全国平均を押し上げています。3大都市圏の都道府県が上位を占める中で、広島県、宮城県、佐賀県が目立ちます。特に、広島県と宮城県は2年連続でトップ10入りしています。福岡県もだいたい10~15位前後におり、地方においても中枢都市を中心に、ITパスポート試験が普及している様子が伺えます(2024年の暫定順位でもこの4県は15位以内にいます)。
◆受験率トップ10/ワースト10(2023年度)
まとめ
2024年も引き続き都市部が牽引する様子が伺えます。この傾向はそう簡単には変わらないとは思いつつも、人口減少に直面している地方だからこそIT技術を積極的に活用して、より便利に暮らせる社会の到来を期待しています。
\おすすめ/技術評論社ITパスポート本はこちら
絵解き解説で読み進めたい、苦手なIT用語もイメージできるようになりたい
キタミ式イラストIT塾 ITパスポート
「AとくればB」方式と節ごとの確認問題で効率良く学習したい(猫にも癒やされたい)
かやのき先生のITパスポート教室
王道テキストで基礎からしっかり学びたい
ITパスポート合格教本