2025年4月、ITパスポートの新シラバス ver6.4が公開されました。「え!?聞いてないよ!」と思う方も多いかもしれません。ですが大丈夫!結論から言うと、今回の変更点は1箇所だけ、それも本当に小さな変更です!この記事を読むだけで、新しいシラバスにバッチリ対応できます。
新シラバスの変更点
じゃあどこが変わったの?といいますと、プロバイダ責任制限法という法律が改正され、情報流通プラットフォーム対処法となりました。名前が大きく異なっているように見えますが、その実態はプロバイダ責任制限法+αなだけ。
比べてみよう
シラバス Ver6.3
●大分類1:企業と法務 中分類2:法務
7.その他の法律・ガイドライン・情報倫理
(2)情報倫理
・データ駆動型社会において行動する際に守るべき法令、社会的規範、モラル及び倫理があること
・AIが学習に利用するデータ,AIが生成したデータについて,それぞれ個人情報保護,プライバシー,秘密保持の観点で留意する必要があること
用語例 プロバイダ責任制限法(発信者開示請求,送信防止措置依頼ほか),ソーシャルメディアポリシー(ソーシャルメディアガイドライン),ネチケット(ネットマナー),データのねつ造・改ざん・盗用,チェーンメール……(後略)
シラバス Ver 6.4
●大分類1:企業と法務 中分類2:法務
7.その他の法律・ガイドライン・情報倫理
(2)情報倫理
・データ駆動型社会において行動する際に守るべき法令、社会的規範、モラル及び倫理があること
・AIが学習に利用するデータ,AIが生成したデータについて,それぞれ個人情報保護,プライバシー,秘密保持の観点で留意する必要があること
用語例 情報流通プラットフォーム対処法(発信者開示請求,送信防止措置依頼,侵害情報の削除手続きの迅速化及び透明化ほか),ソーシャルメディアポリシー(ソーシャルメディアガイドライン),ネチケット(ネットマナー),データのねつ造・改ざん・盗用,チェーンメール……(後略)
出典:ITパスポート試験公式サイト 試験内容・出題範囲(https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html)
「法律のひとつがパワーアップし、名前が変わった」と覚えてるだけでもOKですが、せっかくの機会なので中身にも踏み込んでみましょう。
ふたつの法律の違い
プロバイダ責任制限法とは、インターネット上に違法・有害な情報が流れたときの対応に関する法律です。この法律の主な目的は次の2点です。
- ①プラットフォーム事業者の免責要件の明確化
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SNSの運営会社などのプラットフォーム事業者に対して、「一定の条件を満たしていれば、それらの情報を削除しても問題ないですよ」、または「一定の条件を満たしていれば、削除申請を却下しても問題ないですよ」と定める。
- ②発信者情報の開示請求権の規定
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被害者側に対して、発信者情報の開示を求める権利を定めると同時に、裁判の手続を簡略にする。
一方で、情報流通プラットフォーム対処法では、新たに次の内容が追加されました。
- ③大規模なプラットフォーム事業者へのルール
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一部の大規模プラットフォーム事業者を指定し、削除申請の窓口設置や申請に対する対応の通知、削除基準の公表などを義務付ける。
こうすることで、より迅速でわかりやすい対応を期待できるようになりました。
出題に変化はある?
……と、細かいことを色々書いてきましたが、気になるのはやっぱり出題形式。プロバイダ責任制限法はこれまでも何回か出題されてきましたが、他の法律との違いについてが大半です。でもときどき突っ込んだ内容が問われることも……。「削除申請の窓口を設置」、「削除基準を明確に」の2点を抑え、あとは慌てず、しっかり過去問で勉強しましょう!