ITパスポートの過去問（公開問題）はどのように活用すればいいの？

ITパスポートは、実施しているIPA（情報処理推進機構）から毎年過去問題（公開問題）が公開されています。ITパスポートの過去問はどのように活用したらいいのでしょうか？

過去問からどんなことがわかる？

様々な入試や資格試験において「過去問は重要！」といわれているかと思いますが、ITパスポートにおいては具体的にどのような点に注目していくと、受験の役に立つのでしょうか。

過去問からわかること①　知識がどのような問題で問われているかわかる

例えば、2022年4月から試験範囲（シラバス）が改訂され、プログラミング（疑似言語）、情報デザイン、データの利活用といった分野が試験範囲として追加されました。公開問題が出るまでは新しい分野が実際にどのような問題で出されるのかはっきりしていないところがありましたが、実際に問題が掲載されたことで、対策がしやすくなりました。

過去問からわかること②　出題数のバランスがわかる

過去問を見ると、多く出題されている分野があることがわかります。例えばセキュリティの問題は15問前後と、例年数多く出題されている一方で、表計算の出題は0～1問に留まっています。「苦手分野は得意分野でカバーするから大丈夫！」と思っていると、「苦手分野からはたくさん出ていたけど得意の分野が1問しか出なかった…」ということが起こりえるので、頻出の分野は押さえておきましょう。
過去問の傾向がつかめていれば、試験直前に苦手な分野が複数ある場合に最近出題された数の多い分野を優先して対策するというような戦略も取れるかと思います。

過去問からわかること③　注目の用語がわかる

同じような内容でたくさん出題されている単語、内容があれば要チェックです。例えば「令和5年度の公開問題にはデジタルトランスフォーメーション（いわゆるDX）が選択肢に入っている問題が複数あるなあ」「機械学習や統計に関する問題が増えている気がする」というような感じです。

過去問と同じ問題や似た問題は出題される？

ITパスポートは過去出題された問題や公開問題と似た問題が出題される可能性が高いと考えられます。このように考えられる理由としては、ITパスポートの問題は内容や難易度を調整しながら丁寧に作られていることが挙げられます。

ITパスポート試験で出題される100問のうち、8問は採点されないという話を聞いたことがあるでしょうか。この8問は今後の試験での出題を評価するための問題となっています。実際に解答した受験者のデータまで使った手間のかかっているクオリティの高い問題が厳選されており、そう簡単に出題傾向は変わらないといえるでしょう。

似た問題の例として、令和3年度の公開問題、問31をまず見てみましょう

次に、令和5年度の公開問題、問31を見てみます。

解答はどちらも「ア」です。令和3年度の問題を学習していてAPIエコノミーは「インターネットを通じて，様々な事業者が提供するサービスを連携させて，より付加価値の高いサービスを提供する仕組み」であることがわかっていれば、令和5年度の問題文を読んで「これはAPIエコノミーのことを言っているな」と気付けるかと思います。完全に同じ問題ではないですが、公開問題だけ見比べても過去問に近い内容が出題されていることがわかります。

過去問だけ勉強すれば合格できる？

過去問の活用が試験勉強に役立つことがわかってきましたが、過去問だけ勉強していれば合格できるかというと、少し厳しいかと思います。ITパスポートの試験範囲はとても広く、過去問で出題されている部分だけではカバーできているとはいえません。過去問で傾向をつかみながら、参考書や予想問題による模擬試験などで学習することも重要です。

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