見たことない問題はどうやって対策する?

「過去問をたくさん解いたのに、試験本番では見たことのないものばかりが出て、役に立たなかった……」

ITパスポートの受験者の声として、ときどきこういうものが聞こえてきます。

実は、ITパスポートは、他の試験よりも「過去問そのままの使い回し」が少ないのです。そのため、試験本番で、見たことのない問題ばかり出た! とびっくりすることもよくあるようです。

新作問題は「解けるなら解く」で割り切るしかない


まず、試験本番では必ず新作問題が出題されることはご存知でしょうか。試験の要綱には、採点されない新作問題が8問出ると明記されています。これは、新作問題の難易度をはかるためのものであり、またCBTの問題自体が陳腐化しないようにするための措置で、避けることはできません。

採点されない問題は明示されていません。受験者側からすると、これまでに出題された問題の全体像がわからないので、どれが採点の対象外なのかを正確に判断することは難しくなります。自分にとっては初見であっても、ほんとうはすでに本番の問題として使われている、採点対象の問題かもしれないのです。

さらに、シラバスに掲載されていない用語までも出題されたりすることがあります。そんなの対策のしようがないとも言えます。

問題文が短くてヒントが少ない新用語に関する問題はなかなか厳しいですが、問題文が長めの問題については、問題を解くためのヒントがちりばめられていることが多く、難しそうに見えても、よくよく読んでみると「なんだよこけおどしかよ!」なんてこともあります。

試験の本番で初見の問題は絶対出るものと考えて心の準備をしておき、実際に出くわして「ほらやっぱりね。そうくると思ったよ」とあわてずに問題文をよく読み、解けそうならがんばって解くしかないということになります。

消去法も有効

例えば令和元年秋期の問73に、新作としてこんな問題が出ました。

IoT機器やPCに保管されているデータを暗号化するためのセキュリティチップであり、暗号化に利用する鍵などの情報をチップの内部に記憶しており、外部から内部の情報の取出しが困難な構造をもつものはどれか。

ア GPU イ NFC ウ TLS エ TPM

これなどは、そのものずばりの答えをしらなくても、他の勉強をしていていれば消去法で解ける典型的な問題です。

おそらく当時の教科書には「TPM」というものは載っていなかったと思われます。しかし、GPU・NFC・TLSは載っていたことでしょう(当時発売していた「平成31年/01年 栢木先生のITパスポート教室」はこのとおりでした)。

GPU・NFC・TLSを覚えていれば、

「GPUは画像処理専用に使うやつで、NFCはSuicaとかに使われてる技術で、TLSはなんかブラウザに鍵マークがついて暗号通信するやつだよね。じゃあ残りのTPMかなあ」

ということで答えが導き出せます。

切り口を変えた問題には参考書が効く


このように、まったく初見の新用語に関する問題も出ることは出ます。が、ほとんどの問題は、既存の過去問題と似ているけどちょっと切り口を変えたものです。そのような問題ならば、本質的な知識を身に付けていれば怖がる必要はまったくありません。

例として、メールに関するプロトコルの問題を見てみましょう。平成24年秋期の問77の問題です。弊社の調査では正解率が高くなっていました。

メールサーバに届いた電子メールをメールソフトで受け取るために使用されるプロトコルはどれか。

ア DNS イ HTTP ウ POP3 エ SMTP

「ええと、DNSとHTTPはメールとは直接関係はしてないかな。メールに関係するのはPOP3とSMTPで、SMTPはメールの送信に使うから(送信=ソウシンのS!と覚えてしまいましょう)、POP3が受信だっけな?」

という感じで、そんなに難しくないですよね。

しかし、ちょっと表現が変わると、とたんに正解率が低くなってしまうのです。例えば、令和3年公開の問84。弊社の調査では正解率が上記よりも低かった問題です。

PCにメールソフトを新規にインストールした。その際に設定が必要となるプロトコルに該当するものはどれか。

ア DNS イ FTP ウ MIME エ POP3

出題のされ方は違うけれど、結局おさえるべきは「POP3はメールソフトで電子メールを受信するときに使われるプロトコル」これだけです。このポイントを押さえれば、表現が少々変わっても解けるはずです。

メールソフトをインストールしたら、メールの送受信の設定が当然必要となります。そのときに必要なのは、POP3とSMTPで、この選択肢の中ではPOP3が該当します。

1つ目の問題と比べると正解率は低くなってしまっているのは、「メール受信」という表現がない、ちょっとひねった出題にとまどったからと考えられます。

このような感じで、似たような問題が手を変え品を変え出題されます。ITパスポートではそのたびごとに表現を変更していることが多いのですが、でも覚えるべきポイントは同じで、そのポイント自体はそれほど多くはありません。

重要ポイントを身に付けるには、参考書でしっかり押さえておくのが早道です。参考書は理解しやすいように体系立てて書かれていますし、試験に出やすい重要ポイントを強調したり、まとめて記載したりしているので、関連する周辺知識を整理して効率良く身に付けることができます。

過去問を解くことはとても大事ですが、漫然と数をこなすことだけに意識を向けてしまうと、「答えを覚えてしまって、少しひねられると太刀打ちできない」という罠に落ちます。まずは参考書で重要ポイントをしっかり把握すること問題演習では問題をじっくり読みこむこと間違えた問題を復習し、あやふやなようなら教科書にもう一度立ち返ることも大事です。

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