令和4年度(2022年度)前期(4〜9月)動向
受験料値上げによる減少は一時的
合社会人も学生も、受験者は増加中!
令和4年度(2022年度)は、受験料が5700円から7500円に値上げされたため、4月は受験者が昨年の半分以下に落ち込みました。しかし、5月からはメキメキと応募者数が増え、7月には2万人を突破。8月に若干減ったものの、9月には再び2万人を越え、本年度最多となりました。
受験者の属性別でみても、学生・社会人ともに増えており、特に非IT系の社会人が急増しています。
人が増えると落ちやすくなる?
受験者と合格率の関係性
一方、合格率については4月に60.9%だったところから、7〜9月は51%前後まで旧落下しています。受験者数が増えるにつれて合格率が低下する(負の)相関関係は明らかなようです。
平成4年4~9月の合格者数と合格率をプロットして関係を見てみると、傾きは明らかであり、相関係数も-0.95と高い数値が得られました。また、令和3年4月から4年9月までの1年半を見ても、負の相関係数は-0.85と高い関係があります。このような「受験者が増えると、平均点が下がる(合格点到達者が減る)」のは他の試験でも見られる現象で、一般に記念受験や、腕試し受験が増えることが原因と思われます。
しかしながら、ITパスポートは基準点に達しさえすれば「合格」できます。受験者の数や全体的な平均点によって、その基準が左右されるわけではありません。合格者が多くても少なくても、自分を信じて勉強し、しっかり点数を取りましょう。
ITパスポート試験の令和4年度後期の動向予測
学生・社会人とも着実に増加
社会人の受験者層に変化あり?
それでは、令和4年度はどうなっていくのでしょうか。これまでの遷移を踏まえて属性別に予測してみましょう。
●学生は春休みピーク前の取得がオススメ
まず学生については、前半は昨年と比べるとやや低調に思えましたが、夏休みの8月には5000人に到達しました。その後、冬休みの12月、そして春休みの3月にピークが来そうです。特に就職を控えた学生は、入社前に受験を勧められるケースが増えてきました。1回で合格する人は1/2以下なので、「いつか受験する」というつもりならば、年内に1回はチャレンジしておくと安心ですね。
●IT系社会人は例年並みながら、重要性は高まる
社会人については、非IT系とIT系で傾向が大きく分かれました。IT系は例年並みの受験者数で大きな変化はなさそうです。合格率は非IT系社会人と比べて低めなので(4~9月合格率:IT系54.8%、非IT系58.4%)軽い気持ちで受験する方も多いのでしょう。ITパスポートはガバナンスやセキュリティなど、ビジネスに関する情報も広く試験範囲になっているので、ITの知識だけではなかなか合格できないのがツライところ。
とはいえ、今後さらにIT施策にはスピードが求められ、コミュニケーションやビジネス視点の重要性が高まることは必須。システムのユーザーやマーケター、ときに経営層など様々なビジネスパーソンと関わることが増えるでしょう。快適に仕事を進め、成果を上げる上で、ITパスポートを勉強することで得られる知識や考え方が大いに役立つと思われます。
そうした観点から、今後は若年層だけでなく、非IT系社会人とのコミュニケーションが多い上流層IT社会人にも、受験者が増えることが期待されます。
●非IT系社会人は爆アゲ!非ITにもITの知識が求められる
非IT系社会人は、年々受験者数が増加傾向にあり、令和4年度後期も続いていきそうです。さらに昨年度3月のような急増とはならないまでも、異動や昇進が多い時期ゆえに、年末から年度頭に向けて受験者が大幅に増えると思われます。
内訳としては、ここでは詳しく紹介しませんが、非IT系の営業・販売職、人事・総務などの仕事についている人の伸び率が高く、昨年度同時期比で1.3〜1.5倍ほどになっています。近年急速に進むDXにおいて、非IT系社会人にもITの知識や、それを活用するための知識が求められているからなのでしょう。今後、さらに業界や職能にとらわれず、ITパスポートで得られる知識が、普通の社会人にも“常識”になっていくと思われます。
最新刊が続々出揃うタイミング
年度内の合格を目指すなら、そろそろ準備を!
ITパスポート試験は、受験日時を自分で自由に選択できるのが利点であり、欠点でもあります。うかうかしているといつまで経っても受験することができません。また、「いざ受験」となったときに、次のシラバス改訂と重なることにもなりかねません。
今後、秋から春にかけて受験者数が増えることは間違いなく、そうなると試験会場も混み合ってくるため、希望する会場や日時で受験することが難しくなってきます。年度内の合格を目指すのであれば、そろそろ受験日を設定するなど、覚悟を決めたいタイミングです。
また、これから勉強を始めるならば、ブラッシュアップされた最新のテキストで学ぶことをおすすめします。毎年11月はテキストの最新版が続々と発売されるタイミングです。「いつか」と思っているなら、この機に最新のテキストをゲットして、年内受験&合格を狙っていきましょう!